学会からの提言

これからの小児歯科保健のあり方について

3.小児歯科保健を担う歯科医師の現状と課題および対策

【現状と課題】

現在の小児歯科学会の歯科医師会員は約4,300名にもかかわらず、小児歯科標榜医は約40,000名存在している。小児歯科学会では、毎年7册の学会誌の刊行や全国大会、地方会の開催、さらには様々な研修会や刊行物の発行により、 会員に対する最新の小児歯科医療・保健の情報の提供を実施している。しかしながら、学会への入会者は小児歯科標榜医の10%程度で、約90%の小児歯科標榜医は個々の自己研鑽による以外には、小児歯科の情報収集や技術研鑽の機会はなく、実際の医療サービス提供においても不十分になることが懸念される。このことは、小児歯科医療や保健を享受する国民にとっても、決して望ましい状況ではなく、今後の重要な課題の一つである。

同様のことが日本学校歯科医会の会員構成にも認められ、全国の学校歯科医の約80%は会員であるものの、未入会の歯科医師に対しては、学校歯科保健の最新情報や診断基準の徹底が難しいため、学校歯科医としての役割である、担当校における小児歯科保健教育を実施する際の資料やノウハウを学ぶ機会が圧倒的に少なくなっている場合が多いのが実状である。

【対策】

ア.
小児歯科を標榜する歯科医師は、責務として日本小児歯科学会および日本学校歯科医会会員になることが望ましい
可能であれば、会が認定する資格を取れるよう努力する
イ.
小児期の歯科保健の推進のため、関連する予防歯科(口腔衛生)に関する知識の習得とフィールドを含めた保健活動の研鑽をする
ウ.
小児歯科保健の向上のためには、地域に密着した活動が求められるため、積極的に地域の歯科医師会活動や学会活動に参加するような努力が必要である
エ.
小児歯科保健の担い手である歯科衛生士の能力の向上をはかる(日本小児歯科学会認定歯科衛生士の資格の取得)と同時に、歯科衛生士会等の組織との連携や協力体制を構築する