近年、診療ガイドラインの作成方法は大きく進展しています。その作成には、システマティックレビューという確立した方法により、研究論文などのエビデンスを系統的な方法で収集し、採用されたエビデンス全体を評価・統合することが求められています。基礎となるエビデンスは世界共通ですが、診療ガイドライン自体は、その適用国の医療制度によって異なるのが当然であり、作成方法も我が国固有の事情を考慮することが望まれます。

本委員会は、臨床研究推進委員会および学術委員会と連携し、歯科医療者と患者が活用できる質の高い診療ガイドラインを目指して、「乳歯と幼若永久歯の小窩裂溝填塞ガイドライン」の作成に取り組んできました。これまでに、システマティックレビューにおけるバイアス評価やメタアナリシスのためのワークショップを受講し、各委員がガイドラインの作成方法を習得しました。現在、診療ガイドラインの草案を作成し、公開に向けた最終調整の段階に入っております。公開後は、学術委員会と連携して、さらなる重要臨床課題に対する診療ガイドライン作成に取り組んでいく所存です。