こどもたちの口と歯の質問箱
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小学生高学年
歯みがき・むし歯予防
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Q.朝起きた時、ご飯を食べる前に歯みがきをしたほうがいいですか?ご飯の後に歯みがきをしたほうがいいですか?
A. どちらか1回だけでしたら食べた後の方がいいでしょう。食べ物をそのままにして食べカスが残ってしまうことが一番よくないからです。食べカスには糖質がたくさん含まれていて、むし歯原因菌に利用されて酸をつくり、歯を溶かします。しかし寝ている間には口の中をきれいにしてくれる唾液はほとんど出ませんし、プラークができて口の中は少しネバネバしてしまいます。ですから朝起きて顔を洗う時に一緒にうがいをしたり、歯をみがくと頭もすっきりして目覚める効果もありますから、それもプラスしてできたらなおいいですね。
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Q.歯みがきは一日何分すればいいですか?
A. 毎食後、一回につき最低でも3分間を目標に磨くようにしましょう。歯と歯の間は歯ブラシでは限界があるためデンタルフロス(糸つきようじ)を使いましょう。人によって歯の本数も、形や歯並びも違うので、何分がいいとは言えませんが、プラーク(歯垢)は口の中にいる細菌が作ったネバネバしたもので、歯にしっかりと付いているので、歯ブラシで一か所を20回くらいこすらないと取れないのです。歯のすべての面に歯ブラシを20回くらいこすることを考えると3分ぐらいはかかるでしょう。市販されている歯垢染め出し液を時々使用して、自分の歯の汚れを全部取るには大体何分ぐらいかかるか測ってみると平均的な時間がわかるようになります。また、歯科医院で自分がいつも磨き残す場所の磨き方の指導を受けてみてください。
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Q.入れ歯の装置は何で洗ったらいいですか?
A.まずは水道水でよく洗いましょう。入れ歯も歯と同じように口の中にあるので、プラークはつきます。だから歯ブラシでプラークをとってきれいにします。歯磨剤では入れ歯を傷つけることがあるのでできたら入れ歯専用の歯みがきこのようなものをつけてみがきましょう。また使わない時は入れ歯洗浄剤に付けておくといいでしょう。あまり強く磨くと破損の恐れがある場合はかかりつけの歯科医院にて洗浄してもらいましょう。
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Q.むし歯は歯みがきをしていれば進行しませんか?
A.ごく初期の表面だけのむし歯(肉眼的には、わずかに白く濁った状態)であれば、十分な歯みがきや歯医者さんでフッ化物を塗ってもらったりして、口の中の環境をよくしていれば歯が再び石灰化をしてなおることもありますが、穴になってしまったむし歯はなおることはありません。むし歯は小さくみえても目に見えない深部で進んでいきますから、早急に歯科医院を受診してください。
歯の解剖生理
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Q.前歯と奥歯はどうして形が違うのですか?
A. ヒトは哺乳動物で肉も野菜も食べる雑食です。口の中に食物が入ると、それを先が薄くなっている前歯でかみ切ります。特に真ん中から3番目の歯は先がとがっていて肉などの堅いものを噛みちぎることができる犬歯です。その後うすのような形をしている奥歯でかみ砕き、すりつぶして、十分に唾液とまぜあわせて胃に送りるという歯の機能がありそれに好都合な歯の形をしています。しっかり前歯で噛み切って、奥歯でよくかむと唾液も出てきて、さらにおいしくなります。味わって食べましょう。
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Q.歯は何でできていますか?
A.歯の表層のエナメル質は、ほとんどがリン酸カルシウムで、ハイドロキシアパタイトと呼ばれる無機質からできています。体の中で一番硬くて丈夫にできています。内面の象牙質は、約 70%がハイドロキシアパタイトで、その他線維性タンパクのコラーゲンからなり、エナメル質と象牙質は硬く石灰化した組織です。その中に歯に栄養を送る神経、血管が集まっている歯髄がありますます。だから歯は歯髄から栄養をもらって生きているのです。むし歯になって冷たい水がしみたり、痛くなるのは命がある証拠。大事にしたいですね。
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Q.歯は何で白いのですか?
A.歯の表面のエナメル質は無色で半透明で、その中の象牙質の色は黄色で、エナメル質の光の屈折性により、歯の全体の色調が変わります。エナメル質が薄いと光を容易に通過させるので、象牙質の黄色が反映します。逆に、エナメル質が厚いと光の通過が悪くなり、白く見えるようになります。また、歯の表層のエナメル質にカルシウムとリン酸の結晶が沈着して石灰化することにより、歯が白く見えるようになります。とくに、乳歯のほうが永久歯よりも白く見えます。
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Q.大人の歯が生えてきたら真ん中に突起がありました。これはなんですか?またその突起が折れて痛みがあるようです。
A.中心結節といい、歯の表面にできた突起です。この突起の中に神経が入っていることもあり、その場合は折れてしまうと痛いので、神経の治療をすることになります。見つけたらなるべく早めに歯科を受診し、折れないように保護します。
むし歯と治療
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Q.むし歯から大きな病気になりますか?
A.血液の中に細菌がいる状態を菌血症といいます。むしば菌は歯科治療や歯みがきなどで一時的に血流に入ることがあります。血液中で増殖し感染すると敗血症となります。むし歯が重症であればあるほど食欲不振、偏食などにより、栄養摂取に影響がでたり、まれに顎や顔の発育不全がみられることもあります。また、心理的な障害や、全身的な病気として、心内膜炎、腎臓病、リウマチ性関節炎などの全身疾患を誘発することも考えられます。
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Q.銀歯がとれた時は、歯科医院又は病院に持っていった方がいいですか?
A.持っていった方がいいです。歯に適合していれば、再び接着することができます。
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Q.甘くない食べ物でもむし歯になりますか?
A.甘い食べ物にくらべるとむし歯になりにくいのですが、甘くなくてもポテトチップスのように炭水化物で出来ている物は、分解して糖類になります。むし歯になりにくいだけでむし歯にならない訳ではありません。まして歯みがきをせずそのまま不潔にしておけばむし歯になってきますので、常に清潔にするように心がけましょう。
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Q.銀歯や白いつめ詰め物はむし歯にならないですか?
A.銀歯になっていても、歯みがきが不十分でプラークが付いていれば、銀歯の周りからむし歯になってきます。治療して銀歯(詰め物)になっていても、歯と銀歯(詰め物)の間には、目には見えない隙間があります。このむし歯を二次カリエスといいますが治療範囲がどんどん広がってゆきます。治療後のケアが大切です。
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Q.学校でCOといわれました。どういう意味ですか?
A. COというのは要観察歯のことで、現在はむし歯ではありませんが、口の中の環境が悪ければ(歯みがきが十分でなく、プラークが付いている、甘いものをたくさん食べるなど)治療が必要になる可能性が高い状態の歯を言います。歯の表面は白く濁っていたり、白色や褐色の斑点になっていて、むし歯の穴は開いていません。むし歯にならないように、歯みがきや、おやつなどに気をつけることと、歯医者さんでフッ化物を塗布してもらうなど定期的に受診して、観察してもらうことが大切です。
食べ物
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Q.歯に良い食べ物はありますか?
A.歯にカルシウムが多く含まれているといっても、カルシウムを摂取することだけが必ずしも歯を強くするとはかぎらないようです。大切なことは、ミネラル(カルシウム、リン、鉄)、ビタミン、蛋白質などの栄養をバランスよくとれるようにすることです。また元気に外で体を動かして遊ぶ、運動すると太陽からビタミンDを取り込み、健康な歯が作られます。また、全身の筋肉の発達がかむ力を育てます。
外傷
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Q.子どもの歯が抜けたとき、病院に持っていった方がいいですか?
A. 歯は骨のくぼみに植わっているので、強くぶつかると脱臼といってスポット抜けてしまいことがあります。この場合、抜けた歯を乾燥させずに早く歯医者さんで処置してもらうことができればもとに戻すことができます。大事なことは(1)乾燥させないように歯の保存液(学校の保健室にある場合もあります)、冷たい牛乳、生理食塩水それらがなければ水でいいので、とにかく乾燥させないで、出来れば30分以内に歯医者さんに行きましょう。また歯を持つときは歯の頭の部分を持って、根の方をなるべく触らないようにしてください。
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Q.歯が折れた時は歯をいっしょに病院に持っていった方がいいですか?
A. 折れたものが細かくなければ拾って持っていきましょう。自分の歯を接着剤で接着することもできますし、歯と同じような色のプラスチックで元歯の形に治すことができます。歯の割れ方によっては歯髄に影響があることもありますので、なるべく早く受診してください。折れた歯の保存には気を付けて下さい。保存液がありましたら、そのなかに付けることがベストです。乾燥させないことが重要です。牛乳がなければ食品用ラップフィルムに包んでおくだけでも結構です。
歯ならび・かみ合わせ
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Q.出っ歯といわれました。どうすればいいですか?
A. 出っ歯の中には、歯だけが前に突き出ている場合と上の顎自体が出ている場合があります。また上の顎は悪くなくても下の顎が後ろに引っ込んでいるために、出っ歯にみえる場合もあります。出っ歯の原因として、遺伝や指しゃぶりや舌を出す癖、くちびるをかむ癖が考えられます。習癖が原因の場合はその癖を止めさせることも必要ですが、その原因を探すことも大切です。見かけが気になるだけでなく、前歯でかみ切りにくい、くちびるが閉じにくい、発音がはっきりしないなどきになることがありましたら小児歯科専門または矯正歯科専門の歯科医院を受診し相談してください。
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Q.矯正装置が痛い時は、装置をはずした方がいいですか?がまんしたほうがいいですか?
A.矯正装置には固定式と取り外しができる2つのタイプがあります。下側の取り外しができる装置は、我慢できない痛みのときははずして、できるだけ早く主治医に受診しましょう。痛みの原因にもよりますが、固定式装置は勝手にはずして、装置が壊れることもありますので、できるだけ早く主治医に受診してみてもらいましょう。
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Q.矯正治療はいつから始めたらいいですか?
A. 歯並びの状態によって違ってきます。また、始める時期は顎や顔の発育をも考えて決めなければなりません。乳歯の場合は、異常が見られた時に小児歯科専門の歯医者さんを受診し、適切な治療開始時期を診断してもらう必要があります。また、前歯が永久歯に交換した時が、将来の歯並びの診断予想のできる時期ですので、異常が見られた時は、小児歯科または矯正歯科専門の歯科医院を受診して、みてもらいましょう。一見、正常に見える歯並びでも、成長とともに変化してきます。とくに、近親者に歯並びの悪い方がいる場合は、歯並びは遺伝的要素が大きく左右しますので早めに受診をして、定期的に診てもらいましょう。
軟組織
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Q.下唇のうらにできものができました。前にもできたことがあるのですが、すぐに消えました。今回はなかなか消えません。これはなんですか?
A.粘液嚢胞といいます。お口の中にはいろいろなところに大小の唾液腺(つばを出すところ)があります。そのつばを出す袋の入り口がなんらかの理由でつまってしまうと、唾液の出る場所がなくなり、袋状にたまっていきます。しかし、大抵はすぐにつぶれます。何度も繰り返すことが多く。なかなか消失しない場合は、原因となっている小さい唾液腺を除去します。
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Q.プラークがべったりついていて、それが原因で歯肉炎になっていると言われました。汚れをちゃんと取るようにすれば歯肉炎は治りますか?
A. 歯科医院で、しっかりと歯磨き指導を受け、毎日歯ブラシを丁寧にあてると、下記のように1週間で改善が見られます。定期的に歯科で健診を受け、口腔内の健康を保ちましょう。